ヴィンコットが生まれるカロジューリ社の農園は、
イタリア半島のかかとの部分、 プーリア州のリッツァネッロにあります。

アドリア海とイオニア海に挟まれたサレント地方の南に位置するこの地は、
1年を通してレモンの白い花がほころび、ハーブの香りが漂う暖かな場所。
輝く太陽の光と、ふたつの海が運ぶやさしいそよ風に恵まれた土壌を生かし、
ワインやオリーブオイルづくりで知られています。

この地に400年以上根をおろしているのが、カロジューリ家。
1825年には会社を設立し、良質なオリーブオイルを世に送り出してきました。
しかしあるとき、社の歴史は大きく変わります。
それはジャンニ・カロジューリ。ラベルに描かれている人物によってでした。


彼は「深く土地に根ざしたオリジナルなもの」を
たくさんの人に届けたいと考え、 あるものに思い至ったのです。
それが、古くから伝わるレシピで自家用につくり、
家族であじわっていたヴィンコットでした。

以来、ジャンニ・カロジューリが商品化したヴィンコットは、
イタリアはもとより、世界へと広がっていきますが、そのあじわいも香りも
当時のままを現在に伝えています。
それは、完成された製法をかたくなに守り、
土地の良質なぶどうをヴィンコットへと生まれ変わらせ続けているからなのです。

ヴィンコットのもととなるぶどうは、ネグロアマーロとマルヴァジーア・ネーラ。
赤ワインに用いるぶどうとして名高い品種です。
これらの果実を、樹になったまま完熟させ、
さらに棚で支えて自然にしぼむまで待ち、皮ごとぎゅっと搾ります。

次に、採れた果汁を3日間、大きな鍋で焦がさないようにゆっくり混ぜ、
1/5ほどの量になるまで煮詰めていきます。
それから、代々伝えられ家宝となっているオーク樽に入れ、
じっくり寝かせること、4年の歳月。



この熟成の過程では、樽に備わる酵母などの繊細な働きが味を左右するため、
杜氏が日本酒を仕込むとき余計な菌を持ち込まないのと同じように、
ごく一部の限られた人間しか樽に近づくことができず、厳密に管理されます。

長い眠りを経て、いよいよテイスティング。
味、香り、テクスチャー、すべてに合格点が出てから、
ていねいにフィルターでこし、1本1本の瓶につめて、
みなさまにお届けする商品となっていきます。

こうしてできるヴィンコットは、
まさに自然の恵みと時、人の手がかかわってはじめて生まれるぶどうのしずく。
奥行きのあるゆたかな風味と芳しい香りには、本物だけが持つ理由があるのです。
 
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